中登美ショッピングセンター内にある古書の店「本源郷」で、年末に購入しておいた村上春樹さんの「色彩を・・・」の本を読みました。 昨年話題になっていましたが、やっと!という感じです。

村上春樹さんの本は結構読みますが、俗に言う「ハルキスト」ではありませんので、我先に読もうとは思いません。 1Q84は文庫になるまで辛抱強く待ちましたし、この本は、本源郷さんに「入ったら連絡してね」と頼んでおいて手に入れました。

今は、入試前であまり読む時間がありませんが、ホッとしたい時は、本を手に取ります。

この題名の色彩を持たないって、どういう意味かな?と思っていましたが、名前に色がないという意味なのですね。「多崎つくる」という名前には、確かに色彩がありません。 高校時代に仲の良かったグループの他の4人には、名前に色があったのです。赤松、青海、白根、黒埜という具合に。 挿話に出てくるピアニストも緑川という名前。

つくるだけが地元の名古屋を離れ東京の大学に入って2年目、高校時代仲間だった4人から理由を聞かされず絶交され、それからのこと。

そして、30代後半になって、今まで目を背けてきたその過去に、何があったのかを確かめる旅にでることに。 

その絶交された理由は、分かるような分からないような内容でしたが、総じて面白い本でした。 村上春樹さんの本は、「あれはいったい何だったんだろう?」という仕掛けが結構あって、釈然としなかったりする部分が多く残るのですが、これはかなり読みやすいですよ。とはいえ、不思議部分は残りますけどね。

最後、フィンランドに行くあたりの描写で、つくるが自然に英語を話しているのが面白いですね。 つくるは、特に熱心に英語を勉強したわけではなさそうですが・・・。 村上さんは、海外在住なので、その辺は当たり前のこととして出てくるのでしょうね。