若い頃読んだ本で、いつの間にか手元からなくなっている本が何冊もありますが、これもそのうちの一つです。
なんだか急に読みたくなり、中登美ショッピングセンターにある「古書 本源卿」さんで購入して読みました。印象しか残っていず、すっかりストーリーを忘れていて、新鮮な気持ちで読みましたが、意外とおもしろい。 この本はよく、夏目漱石の「こころ」と引き合いに出されます。以前は「こころ」の方が好きでしたが、今読んでみると、心情をとても正直に描写してあり、「友情」の主人公の必死さや切なさに親近感を感じ、面白く読めました。
恋に不器用で自分勝手な10代が読めば、かなり共感するのではないでしょうか。 人間って・・・昔も今も同じようなことをしているのだということが分かりますよ。
集英社文庫のザ・スタンダードのシリーズは字も大きくて読みやすいので、このシリーズでちょっと昔の本を読めば取っつき易いと思いますよ。おすすめ。
また、解説が読んで楽しい。武者小路を「むしゃのこうじ」と知られていますが、本人は「むしゃこうじ」と名乗っていたとか、モデルとなった人とかも紹介されていて、興味深いです。