話題になっていて、更に映画化もされていたこの本、やっと読みました。
とはいっても、戦争に関する小説はあまり好きではなく、たまたまよく行く近くの「本源郷」さんにあったので、手に取ったというわけです。
新書は、興味があると新刊で買いますが、小説は、よほど読みたいと思わない限り、ちょっと待って古本を買います。
単行本が文庫になった時に、新刊で買う場合もあります。新刊を単行本で買うと、高いばかりでなく場所を取るので、最近はあまり買いません。読み終わっても、気に入らなかった本以外は、私はあまり売らないので、嵩張らないのが助かります。
映画は見ていませんから、まっさらな気持ちで読みました。
姉弟が、戦争で亡くなった実の祖父のことを調べる過程を中心に描かれています。
姉弟には祖父が存在するが、この祖父は祖母の再婚相手であり、実の祖父は特攻隊で亡くなったということ、そして、その亡くなった時、祖父は結婚していて子どもがいたということ。その子どもがこの姉弟の母である。その後祖母は再婚して、その祖母も6年前に亡くなっている。
その実の祖父を知っている人を探して、話を聞いていくのだが、人によってその印象は様々であり、読み進むうちに徐々に戦争の状況と共にその人となりが見えてくる。
8割くらいまでは、緩やかに感動を覚えながらも山道をたんたんと登る感じですが、最後のクライマックスで、「そういうことか・・・」と感動して涙が溢れました。 途中、戦争の思い出話ばかりが続き、ちょっと嫌になりかけましたが、最後まで読んで良かった。途中で投げ出していたら、この感動を味わえませんでした。
もう高2になる卒業生が、「先生読んだ?面白いよ。」と言っていたのを思い出します。
解説が児玉清さんというのも良いですね。児玉清さんの本についての番組は、楽しみで良く見ていました。
懐かしく思い出しました。