内田樹さんの本を読んでみたいと前から思っていて、たまたま見つけたこの本。

哲学者であり、また、武道家でもある内田樹さんですが、この本では、若い人に向けたメッセージが多く書かれています。
その中でも、特に納得したのが、次の描写です。

以下、引用

ぼくが学生たちに向ってよく言うことは、「君たちにはほとんど無限の可能性がある。でも、その可能性はそれほど無限ではない」ということです。自分の可能性を信じることはとてもよいことです。でも、可能性を信じすぎて、できないことをやろうとするのはよいことではありません。だって、ずっと不充足感に悩み、達成できないというストレスに苦しみ続けることになりますから。どこかで自分の持っている知性的な、あるいは身体的な資源の限界を知って、それを優先順位の高いものから順番にうまく配分するということも覚えなくてはいけません。
(略)
目標を適度に設定し、資源を分配する先に優先順位をつけないと、人間は壊れます。人間て、わりと簡単に壊れます。
といった文に、とても共感しました。

生徒たち、親御さんたちの中には、どう考えても無理と思えるような目標を持ってる方もいらっしゃいます。
夢や目標は大きくてもよいのですが、努力すれば達成できると、本気で考えている親御さんもいて、そうなると、子どもは大変です。何しろ、努力が足りないという結論になるのですから。もちろん、努力が足りない場合もあるでしょう。しかし、親御さんの期待が大きすぎて、その目標がその子にとってできそうもないことだと、その子はつぶれてしまいます。

他にも参考になることが沢山書かれています。

個性についてだったり、自分らしさについて、、コミュニケーションの取り方などなど

「終わりに」のくだりでは、

凝りや力みを取るために一番よい方法は、静かに「聴く」ことです。

と書かれています。

 

肩ひじ張らずに、内田樹さんの考えに触れることのできる1冊です。