上野千鶴子さんと言えば、ジェンダー研究のパイオニアとして知られていて、今は東京大学大学院の教授である。
以前、遥洋子さんが書かれた「東大で上野千鶴子にけんかを学ぶ」という本を読んだことがありますが、その本では、賢くて恐い先生というイメージを持ちました。
(けんかのしかた<討論のしかた>はかなり参考になりましたね)
また、新聞や、雑誌のコラムで読んだ時の印象もそんな感じでしたが、この本を読んだらもうちょっと違う印象、きさくで話したら楽しそうなイメージに変わりました。
頭の切れる方という印象は、変わりませんが・・・。
「長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる。
結婚した人も、結婚しなかったひとも、最後はひとりになる。
女の人は、そう覚悟しておいたほうがよい。」
という言葉から始まります。
「ひとりでも老後は恐くないんだよ」というメッセージを散りばめて、老後の生き方、考え方が書いてあります。
老後に必要なことを具体的に紹介してあったり、色々な住み方の提言。
また、介護の仕方は、ノウハウがあるが、介護のされ方を勉強するべきという提案。
「介護される側の心得10か条」なるものも紹介されています。
この考え方は、新しい発想ですが、必要なことで参考になります。
自分が介護されることを受け入れることの提言などなど、準備は必要だけれど、怖がる必要はないって思えてきます。
「ひとりで死ぬのはぜんぜんオーライ、ただ、あとのひとの始末を考えて早く発見してもらえるような手配だけはしておきなさいね。」というのが説得力ありますね。
問題なのは、孤独死ではなく、孤立生活だと。
婦人公論11/7号にも上野千鶴子さんのエッセイが載っていましたが、この記事についてる写真が颯爽としてかっこいいです!
その中で、自分の生き方は、第三者的評価ではなく、自己評価を薦めています。つまり、他人に褒めてもらうのを基準にするのではなく、自己満足をするのが大事だと。
また、その記事の最後に、この本についての記述があり、次のように書かれていて楽しいです。
「もっとも、私が75歳になった時「あんな本に書いたことまったく嘘ばっかりでした」と反省するかもしれませんね(笑)。まあ、そうなったらそうなったで、その時はまた新しい本を書きます。人間は生きているかぎり変化する生き物なんですから。」
上野千鶴子さん、肩の力が抜けてるというか・・・自然体で良い感じでした。